ナショナルキルトチャンピオンシップ [2023/5/28]

ナショナルキルトチャンピオンシップ [2023/5/28]

コラム

以前、イギリスで毎年開催されていたナショナルキルトチャンピオンシップの日本からのエントリーをお手伝いしていたことがあります。日本の手芸家のスキルをイギリスの人にもぜひ紹介したい、そんな思いで日本事務局を引き受けました。エントリーしたパッチワーカーの作品は、どれも細かいピースを何千枚も丁寧に繋いだものばかり。日本のパッチワーカーのスキルを見せつけるようなものでした。当時、主催者とよく話をしていたので、結果が出た時に聞いたのは、『日本人の小さなピースを大量に繋いだというところ、目の細かなところは、大いに評価しています』ということでした。
結果、何点か入選しましたが、上位に評価されることはなかったのです。なぜか?技術は評価されたけど、作品にストーリーがないということでした。コンテストに出品する場合は、コンセプトがあり、また、訴求する何かを表現していなければならないのを、その時は知りませんでした。キルトのイヴェントで優勝したのは絵画のようなキルトが良かったみたいです。優勝した作品は、確かトラファルガーの海戦や、エリザべス1世の戴冠式など、歴史的なテーマをアップリケなどで絵画のように縫っていた作品でした。でも、個人的には、パターンや色、柄を重視し、何千枚も繋いだキルトの方が、絵画的なキルトより個人的には好きだったし、ハンドクラフトのスキルからすると評価されるべき作品で、とても素晴らしかったと思います。パッチワークがとても流行していた時代の出来事です。

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